2014年11月17日月曜日

ホイール組およびホイール設計に関して

手組・完組み問わずホイールに関する考えをまとめようと思う。
追々追記もしていく予定。

  • リム、ハブ、スポーク
  • リムについて
    •  リム重量の目安
      • ~400g
        • アルミクリンチャーリムだと400gを切るものは走らなくなる印象がある。以前のキシリのエントリでも書いたが400gを超えるもののほうが結果として軽く感じる。
          • 定量的なデータがないので要解析。
      •  ~450g
        • この辺りまでアルミクリンチャーとして軽量リムといえる範疇。450g程度になると汎用リムでもそれなりに使えるリムもちらほら。
      • ~500g
        • この辺りになってくると多少重さを感じてかったるくなる。反面強度的な不安はなくなるが。
    •  リムのエアロダイナミクス
      • 最近多いUシェイプのメリットとは
        • 風にヨー角がついた場合の空気抵抗変化を抑えるため?あるいはリムの上下端で気流の乱れを防ぐため?要考察。
      • ワイドリムについて
        • ワイドリムが多いがこれはタイヤを含めたリムまわりの断面形状をより理想的な翼形に近づけたいがためで、単にワイド化しただけでは前面投影面積が増加するだけなので逆効果。
  • ハブについて
    •  ハイローフランジ
      • 一般にハイローフランジはスポークテンション差を是正すると言われているがこれは半分正解で半分不正解。ラジアル組ベースでなら確かに見た目通りのテン ション差を得ることができるがタンジェント組では有効と言えるほどの効果はない。ではなんのためにあるのかって言うとねじれ剛性を確保するためにDSはフ ランジ径を大きくしつつNDSは軽量化のために小さくしているだけ。NDSラジアルで組むのならハイローは必須であるが、左右タンジェントならその限りではない。 
    • ハブのねじれ剛性 
      •  ハブのねじれ剛性はおよそ30Nm/Deg。そのためスモールフランジハブでは13%、ラージフランジでは7%の駆動トルクがNDSに伝わる。
        (参考:http://poehali.net/attach/Bicycle_Wheel_-_Jobst_Brandt.pdf
        • ただねじれ剛性はハブ胴の径によって大きく変わるので最近の太いシェルを持つハブならその限りではないだろう。以前計算したハブだと概算100Nm/Deg程度。
    •  ラージフランジとスモールフランジ
      •  稀にスモールフランジのほうが固く感じるという感想も目にするが実際のところどうなのか。
        • ラージフランジのほうが駆動剛性が高いのはまず間違いない。
        • 横剛性(アキシャル方向)はラージフランジでわずかにスポーク長が短くなることとフランジ径が大きくなることに依るハブ剛性の低下を考えると一概には判断できない。
        • スモールフランジだと要はラジアル組に近くなるので縦剛性(ラジアル方向)は高くなると思われるので硬く感じる要因はこれか。
          • いずれにせよハブフランジ自体を解析してみないと答えは出ないのでこれは今後要考察。
    • クイックリリース
      •  クイックの締め付けでアクスルは30~90um圧縮される。
        • 20um程ベアリングの当たりが締まると28.3kgfの荷重がかかることになる。
        • アルミシェルとスチールアクスルの組み合わせだと夏と冬のベアリングの当たりの違いはおよそ22um、アクスルをチタンにするとおよそ27um(参考:ロードバイクの科学)
    • ハブフランジの設計
      • ストレートプルスポークで昔から一般的だったフランジ形状(例えばシマノのような)では外側のスポークと内側のスポークの間に壁があり、フランジ幅を有効に使うことができない。
        • シマノのストレートプルスポーク用ハブ。
        • Mavicではスポークを引っ掛ける部分は一つでスポークヘッドがプッシュとプルで向かい合う形。CosmicシリーズなどのNDSラジアルのモデルは多少構造が違えど基本的な考え方は同じ。
        • BONTRAGERでは構造としてはトラディショナルだがスポークホールをアキシャル方向ではなくラジアル方向に配置。
        •  Campagnolo/Fulcrumは横からはめ込む形。スチールスポークだと間に壁はあるがスポークヘッドが入る部分はプッシュとプルで共用であり無駄は少ない。
  • スポーク・ニップルについて
    • スポークと剛性の関係
      • クロス数
        • 縦剛性はクロス数よりスポーク径の影響が大きい。
        • 横剛性はクロス数とスポーク径それぞれが程々に影響するが、クロス数がスポーク径を覆すほどの影響はない。
          • 14Gスポークを4xで組んだものと15Gスポークを2xで組んだものを比べた場合でも前者に優位性があるということはない、ということ。
      • スポーク本数
        • 32Hを基準とした時の16H、20H、24H、28Hのアキシャル方向の剛性比はそれぞれ0.77、0.85、0.92、0.97になる。
    •  スポークのエアロダイナミクス
      •  円形と翼断面ではCd値はおよそ1/10
        • 16Gスポークとそれを潰した0.9x2.3mmのエアロスポークなら0.06倍
      •  円形と矩形だとおよそ1.7倍
        • Mavicのキシエリように14Gスポークを潰したもの(0.9x3.6mm)だと14Gスポークと比べて0.7倍 
      • スポークに真横から風が当たっていると考えた場合、円形と比べて平面の板だとCd値はおよそ1.7倍
        • 同様にキシエリで考えると横風の影響はおよそ3倍
    • イタリアンor逆イタリアン
      •  スポークの負担が少ないのは逆イタリアン、スポークの負担が大きいがより硬く感じるのはイタリアン
    • スポークレーシング(組み方)
      • DSラジアル(イソパルス)
        • Jベンドスポークでやるにはリスクの高い組み方。キシリは好きなホイールなので個人的な印象は良い。
          • 左右の横剛性のバランスがいい?
          • DSとNDSの駆動トルクを受ける割合がどの程度になるのか、ハブシェルのねじれ剛性と併せて要考察。
      • 2:1
        • リム自体の剛性が必要な組み方。この組み方は廉価ホイールしか使ったことがないせいもありあまり印象が良くない。
          • 剛性のほとんどをDSに頼っておりあまりバランスは良くない?要考察。
      • NDSラジアル
        • 某ショップでひたすらこき下ろされているが実際のところどうか。特定条件下でなら優位性がありそう。要考察。

    2014年11月12日水曜日

    シマノリアディレーラーのレバー比(テコ比)

    以前、と言うか1年以上前に某所に書いた内容だがこちらに補足修正して整理しておく。

    11sになってRDの互換性がなくなったわけだが、実際にどの程度の変更があったのかを測定した。ワイヤに印をつけて移動量を測っただけなので正確性はないためあくまでも目安程度に考えていただければ。比較対象はST-5700(10s)とST-6800(11s)で結果は以下のとおり。

    総引き量 1段あたりの引き量 レバー比
    ST-5700 21mm 2.3mm 1.72:1
    ST-6800 25mm 2.5mm 1.50:1

    レバー比はスプロケットのピッチを10sでは3.95mm、11sでは3.74mmとして単純に割って算出した。

    Bloggerでウェブマスターツールを使う際の注意点

    Blogger(blogspot.jp/ドメイン)でウェブマスターツールを使う場合はbrogspot.comドメインでURLを登録しないと検索クエリが正常に取得できない。
    当然っちゃ当然だけど不親切仕様。

    2014年7月10日木曜日

    Fountek FR135EX

    すごくいいユニットだこれ。
    まだ仮の箱に入れて軽く鳴らしただけだが、空間表現が上手く小口径フルレンジ一発ではかなりのレベル。メタルコーンだがAlpairみたいなカリカリと神経質な音は全く出さず、気持ちの良いキレと艶が共在する感じ。低域もダンピングが効いて元気のいいベースが聴ける。ただクラッシュやスネアのような音ははだいぶ埋もれてしまうのでSTが欲しいかもしれない。

    ひとまず素性の良さは十分に確認できたので箱作りが楽しみになった。

    (※9/15追記 エージングが進んで全域がスムーズに出るようになり高音の不足感もほとんど感じない程度になった。このユニットを使ったシステムは雰囲気よく聴ければいいので、ちょうどいい感じ。)

    2014年7月1日火曜日

    Mavic Ksyrium Eliteのリムでホイールを手組する Part2

    前回キシエリのリムをJベントスポークで組んだが、ちょうどMavic ELLIPSEのジャンクを入手できたので組み替えることにした。今回入手したのは11年にモデルチェンジする前の初期型。とりあえずバラして重量測定。
    リム:550g
     ハブ:338g(ロックリング付き)
    スポーク:155g

    初期型と現行型では主にリム辺りが変更されており、スポーク長も初期型リアが303mm、現行型リア296mmとなっている。キシリウムのリムに組み替えるにあたって、キシリウムはリムハイトが低いので当然スポーク長が長いほうが使い回しできるので都合がいい。キシエリのNDSはエリプスよりもフランジPCDが大きいが、クロス数がキシエリ:2クロス、エリプス:3クロスでありスポーク長が短くなる。そのため、キシエリのNDSスポーク(301mm)だと組めないこともないがちょっと長さ的に厳しい。目算で303mmでもちょっと短めになる感じもあったので最悪コスカボSLのDSスポーク(306mm)が必要になるかと心配したが、実際に組んでみると許容範囲に収まったのでよしとする。





    2014年6月19日木曜日

    Mavic Ksyrium Eliteのリムでホイールを手組する

    キシエリのリムでトラック、と言うかシングルスピードのホイールが欲しくなったので手組することに。

    MavicのFOREニップルのスチールスポークのモデルはこの写真のようにニップルが二重構造になっており、スポークに直接ねじ込んであるニップル(以下インナーニップル)は正ネジ、それを受ける形でリムにねじ込む方のニップル(以下アウターニップル)は逆ネジになっている。もちろんこれは供回りを防ぐためであり、FOREニップルが全て逆ネジなのもこれに由来する。
     この二重構造のお陰でインナーニップルのねじ込み具合を変えることで純正以外のスポークで組んだ時に(そもそも純正以外のスポークで組まないという突っ込みはひとまず置いておいて)数mm程度ならスポーク長を吸収できる。ただこのインナーニップル、緩みを防止するために外周部のねじ山がタイトな作りになっており、スポークの先端とツライチになる位置(=純正の位置)以外で使うのはどうなのかな、という感じもある。
     
    インナーニップルのサイズは対面4mmの六角形。スポークは2.0-3.6/0.9-2.0のほぼ矩形断面。ちなみにこのスポーク磁石にバキバキにくっつく。製造メーカーはご存知Alpina。
    分解したので各パーツの重量を測定。
    リム:388g

    ハブ:286g

    スポーク:146g

    ニップル:32g

     ちなみにこれは12年モデルだったはずなのだが、同年式のKsyrium SRのリアリムの重量が次の画像。
     20g強重いって一体…。
    考えらる理由としては、
    1.キシリSRはあえてリムを丈夫に作ってある
    2.ただの俺の勘違いで実は年式が違う
    とまあ後者のほうが可能性が高そうではある。
    もしかしたらこのキシエリが時々見せるかったるい挙動はこの軽すぎるリムにあるのかもしれない。リム重量がもう少し重い年のモデルのリムを入手できれば判別できるので今後精査していきたい。 (手持ちのキシリSRのリムで組んでもいいのだがニップル側スポークに角度がついてしまうでのイコールコンディションではなくちょっと考えもの)
    (追記:どうやらR-SYSの方がKSYRIUMに比べてリムを丈夫に(=重く)作ってるようだ。R-SYSの方が硬いとよく評されるがその違いはスポークだけではなくリムも影響していそう。また余談だが今まではKSYRIUM SLRのリアはR-SYSと共通だったが2015モデルからそれぞれ専用設計になったようなので見た目は同じように見えるが実際はR-SYSのリアの方が硬くなっている。)

    閑話休題。ホイールを組むのに当然ERDが必要なので計測をするわけだが、ニップルが特殊なのでいまいちどこまで含めるかの判断に困ったがとりあえずニップルのねじ山は2山残す程度の長さまでを含めることにした。すると、リムの内径(=582mm)、ニップル分の長さ(=10mm)からERD:602mmとなった。

    手元ににちょうどいいスポークがあった(むしろちょうど良さそうなスポークが余ってたからこの作業を始めたのだが)のでそれを使ってサクッと組んで出来上がり。

     ニップル側のスポークの角度もまあ問題ないかなという感じ。とりあえず普通に使えそうではある。ただJベントスポークでリア20Hはやっぱりちょっと心許ないかな…。ストレートプルのトラックハブとか普通に売ってくれればいいのに。現実的な案としてはELLIPSEのリアハブを入手してキシエリのNDSスポークで組むのがいいかな。まあスポーク切れたら考えよう。

    2014年6月15日日曜日

    FILCOの赤軸を購入


    ここ1年半ほど自宅で使っていたRosewill RK-9000RE(赤軸)が突然認識しなくなった。はじめは接触不良か何かだと思ったがばらしてチェックしてみても発見できず。チャタリングも発生してなかったしまだまだ使えると思っていたのだが、まあセールで安く購入したものだったので諦めて新調することにした。

    私のキーボードを購入する条件としては基本的に、赤軸、US配列、テンキーの3つがある。ただ赤軸は黒軸や茶軸と比べてどうもシェアが低いようで、選択肢としてはあまり数がない。
    Rosewillのものはセールでなくとも他社製品より若干安価ではあるが、今回早々に壊れたので買う気が起きず。
    サイズが販売していたCherry純正(G80-3600LYCEU-2)はRosewillより以前に使っていたが、フレームに鉄板が入っていないので貧弱であまり打鍵感が良くなかった。(まだ使っているので耐久性は悪くないようだが。)

    少ない選択肢の中からこの2つが消えてしまったので、じゃあメジャーだが所有したことのないFILCOを買ってみるか、ということに相成った。購入したのはFILCO Majestouch 2 (FKBN104MRL/EB2)。同じ赤軸だがRosewillの倍以上の購入価格になったのでせめて3年は持って欲しいところ。

    参考:購入価格
    Scythe MX-BOARD G80-3600LYCEU-2  \11,980
    Rosewill RK-9000RE  \5,239
    FILCO Majestouch2 FKBN104MRL/EB2  \12,138

    (追記:その後についてはコチラ http://uni-effective.blogspot.jp/2014/12/blog-post_20.html