追々追記もしていく予定。
- リム、ハブ、スポーク
- ホイールの剛性に寄与する割合はリム:20%、ハブ:40%、スポーク:40%
(参考:http://www.reynoldscycling.com/reynolds/news/Understanding-Wheel-Dynamics-Wheel-Stiffness) - リムについて
- リム重量の目安
- ~400g
- アルミクリンチャーリムだと400gを切るものは走らなくなる印象がある。以前のキシリのエントリでも書いたが400gを超えるもののほうが結果として軽く感じる。
- 定量的なデータがないので要解析。
- ~450g
- この辺りまでアルミクリンチャーとして軽量リムといえる範疇。450g程度になると汎用リムでもそれなりに使えるリムもちらほら。
- ~500g
- この辺りになってくると多少重さを感じてかったるくなる。反面強度的な不安はなくなるが。
- リムのエアロダイナミクス
- 最近多いUシェイプのメリットとは
- 風にヨー角がついた場合の空気抵抗変化を抑えるため?あるいはリムの上下端で気流の乱れを防ぐため?要考察。
- ワイドリムについて
- ワイドリムが多いがこれはタイヤを含めたリムまわりの断面形状をより理想的な翼形に近づけたいがためで、単にワイド化しただけでは前面投影面積が増加するだけなので逆効果。
- ハブについて
- ハイローフランジ
- 一般にハイローフランジはスポークテンション差を是正すると言われているがこれは半分正解で半分不正解。ラジアル組ベースでなら確かに見た目通りのテン ション差を得ることができるがタンジェント組では有効と言えるほどの効果はない。ではなんのためにあるのかって言うとねじれ剛性を確保するためにDSはフ ランジ径を大きくしつつNDSは軽量化のために小さくしているだけ。NDSラジアルで組むのならハイローは必須であるが、左右タンジェントならその限りではない。
- ハブのねじれ剛性
- ハブのねじれ剛性はおよそ30Nm/Deg。そのためスモールフランジハブでは13%、ラージフランジでは7%の駆動トルクがNDSに伝わる。
(参考:http://poehali.net/attach/Bicycle_Wheel_-_Jobst_Brandt.pdf) - ただねじれ剛性はハブ胴の径によって大きく変わるので最近の太いシェルを持つハブならその限りではないだろう。以前計算したハブだと概算100Nm/Deg程度。
- ラージフランジとスモールフランジ
- 稀にスモールフランジのほうが固く感じるという感想も目にするが実際のところどうなのか。
- ラージフランジのほうが駆動剛性が高いのはまず間違いない。
- 横剛性(アキシャル方向)はラージフランジでわずかにスポーク長が短くなることとフランジ径が大きくなることに依るハブ剛性の低下を考えると一概には判断できない。
- スモールフランジだと要はラジアル組に近くなるので縦剛性(ラジアル方向)は高くなると思われるので硬く感じる要因はこれか。
- いずれにせよハブフランジ自体を解析してみないと答えは出ないのでこれは今後要考察。
- クイックリリース
- クイックの締め付けでアクスルは30~90um圧縮される。
- 20um程ベアリングの当たりが締まると28.3kgfの荷重がかかることになる。
- アルミシェルとスチールアクスルの組み合わせだと夏と冬のベアリングの当たりの違いはおよそ22um、アクスルをチタンにするとおよそ27um(参考:ロードバイクの科学)
- ハブフランジの設計
- ストレートプルスポークで昔から一般的だったフランジ形状(例えばシマノのような)では外側のスポークと内側のスポークの間に壁があり、フランジ幅を有効に使うことができない。
- シマノのストレートプルスポーク用ハブ。
- Mavicではスポークを引っ掛ける部分は一つでスポークヘッドがプッシュとプルで向かい合う形。CosmicシリーズなどのNDSラジアルのモデルは多少構造が違えど基本的な考え方は同じ。
- BONTRAGERでは構造としてはトラディショナルだがスポークホールをアキシャル方向ではなくラジアル方向に配置。
- Campagnolo/Fulcrumは横からはめ込む形。スチールスポークだと間に壁はあるがスポークヘッドが入る部分はプッシュとプルで共用であり無駄は少ない。
- スポーク・ニップルについて
- スポークと剛性の関係
- クロス数
- 縦剛性はクロス数よりスポーク径の影響が大きい。
- 横剛性はクロス数とスポーク径それぞれが程々に影響するが、クロス数がスポーク径を覆すほどの影響はない。
- 14Gスポークを4xで組んだものと15Gスポークを2xで組んだものを比べた場合でも前者に優位性があるということはない、ということ。
- ねじれ剛性はクロス数が支配的でスポーク径の影響は小さい
(参考:http://people.duke.edu/~hpgavin/papers/HPGavin-Wheel-Paper.pdf) - スポーク本数
- 32Hを基準とした時の16H、20H、24H、28Hのアキシャル方向の剛性比はそれぞれ0.77、0.85、0.92、0.97になる。
- スポークのエアロダイナミクス
- 円形と翼断面ではCd値はおよそ1/10
- 16Gスポークとそれを潰した0.9x2.3mmのエアロスポークなら0.06倍
- 円形と矩形だとおよそ1.7倍
- Mavicのキシエリように14Gスポークを潰したもの(0.9x3.6mm)だと14Gスポークと比べて0.7倍
- スポークに真横から風が当たっていると考えた場合、円形と比べて平面の板だとCd値はおよそ1.7倍
- 同様にキシエリで考えると横風の影響はおよそ3倍
- イタリアンor逆イタリアン
- スポークの負担が少ないのは逆イタリアン、スポークの負担が大きいがより硬く感じるのはイタリアン
- スポークレーシング(組み方)
- DSラジアル(イソパルス)
- Jベンドスポークでやるにはリスクの高い組み方。キシリは好きなホイールなので個人的な印象は良い。
- 左右の横剛性のバランスがいい?
- DSとNDSの駆動トルクを受ける割合がどの程度になるのか、ハブシェルのねじれ剛性と併せて要考察。
- 2:1
- リム自体の剛性が必要な組み方。この組み方は廉価ホイールしか使ったことがないせいもありあまり印象が良くない。
- 剛性のほとんどをDSに頼っておりあまりバランスは良くない?要考察。
- NDSラジアル
- 某ショップでひたすらこき下ろされているが実際のところどうか。特定条件下でなら優位性がありそう。要考察。