2015年3月17日火曜日

手組におけるスポークパターンによる特性の違いを解析する


手組の24Hにおいて両側2クロス、某ラボ的ヨンロク、似非G3(32H DS3クロスNDSラジアルのNDSを間引いたもの)、2:1(DS3クロス)、DSラジアル(似非イソパルス)、NDSラジアル、NDS1クロス、オフセットリムを用いた両側2クロスの計8種の比較を行った。ハブ寸法はシマノ10s用を基準とした。 リムは500g強の30mmハイト(DTのR520相当)、接合条件はニップル-リム間のみ接触としてニップル-スポーク間およびスポーク-ハブ間はともに剛結合とした。
負荷は横方向に100N、鉛直方向に500N、回転方向に100N・mをそれぞれかけた。
実条件と異なるので値は絶対的には意味を持たず、あくまで相対値であることに留意。

各方向の荷重をかけた際の変位を以下に示す。

2X 46 G3 2:1 DS rad NDS rad NDS 1X offset rim
axial displacement
by lateral load
 (DS to NDS )
2.573mm 2.657mm 5.098mm 2.252mm 3.903mm 2.474mm 2.772mm 2.114mm
axial displacement
by lateral load
 (NDS to DS)
2.027mm 2.220mm 5.988mm 1.768mm 1.863mm 1.683mm 1.856mm 1.875mm
radial displacement
by vertical load
0.384mm 0.357mm 0.313mm 0.790mm 0.458mm 0.466mm 0.438mm 0.479mm
tangential displacement
by torque
0.214mm 0.218mm 0.242mm 0.254mm 0.558mm 0.357mm 0.286mm 0.226mm
axial displacement
by torque
0.203mm 0.192mm -0.216mm -0.412mm 1.121mm -0.300mm 0.121mm 0.161mm
synthetic displacement
by torque
0.293mm 0.287mm 0.317mm 0.478mm 1.241mm 0.470mm 0.310mm 0.283mm

両側2クロスを1とした場合の剛性比を下図に示す。

トルクを掛けた際の軸方向の変位に注目するとNDS1xが優秀であるがハブのねじれ剛性に影響されるので一概には言えないが良いかもしれない場合もあるということで。

次にロルフ等ののNDS側のみがハイフランジな所謂ローハイハブについて考える。ロルフ曰くあのハブは駆動トルクの均一化のためだと言っているが果たして実際どうなのか。
 スモールフランジを基準として両側ハイフランジとNDSのみハイフランジを解析した。

low-low high-high low-high
tangential displacement
by torque
0.214mm 0.108mm 0.158mm
axial displacement
by torque
0.203mm -0.023mm 0.260mm
synthetic displacement
by torque
0.293mm 0.110mm 0.304mm
DS spoke stress
by torque
0.211GPa 0.128GPa 0.156GPa
NDS spoke stress
by torque
0.112GPa 0.0608GPa 0.0915GPa
NDS stress/DS stress 52.9% 47.5% 58.7%

DSのスポークにかかる応力に対するNDSのスポークにかかる応力の割合が高いので均一性が高いといえる。

最後におまけでシマノの10sと11sにおける横剛性の比較。10sでは上記のように変位が2.573mm、一方で11sでは3.499mmと剛性比で0.74であった。

今回取り敢えず解析してみて大体合ってると思われる部分もあれば異なるように思われる部分もあったので時間があればもう少し解析モデルの精度を上げてリトライしたい。